子供に未来をプレゼントすること

うちの親は教育熱心な方でした。

「勉強に関して子供がやりたいと望むことは、全て叶える」

「子供が本を買いたいと言ったら、制限することなく買ってあげる」

両親は、常にそのような方針で私たち兄弟に接してくれました。

私はこれが特別なことだと思っていなかったのですが、最近になってものすごく恵まれていた方なのだと気付きました。

自分が親になって初めて分かりましたが、親になって間もない若い夫婦が「子供の勉学のために何でもしてあげる」という方針を貫くことは本当に大変です。

子供を遊びにも連れて行きたいし、家や車を買うためのお金も必要です。

限られた収入の中では、教育のためにかけられるお金には限りがあるのが実情です。

うちの家は特別裕福な方ではなかったし、兄弟も数人いました。

そんな中で、両親がその方針を貫くと覚悟してくれたこと、それがどれだけの重みであったか分かりました。

小学生の頃から、いくつも習い事をさせてもらったこと。

私は勉強が出来ない方だったので、大学に入学する前に予備校にも行かせてもらったこと。

それ以外にも、季節が変わるたびにあちこちレジャーに出かけたり、テーマパークへ連れて行ってくれたこと。

それらは全て、「子供に未来をプレゼントする」ということだったのでしょう。

私がこのことに気づいたのはつい最近、アラフォーになってからです。

この投稿を書いていてふと、数年前に見た不思議な夢を思い出しました。

古いアパートの一室で、生まれて数ヶ月の小さな子供を抱き抱え、嬉しそうにしている若い夫婦の映像です。

今思えば、それは初めての子供が生まれたことを喜ぶ両親の姿だったのかもしれません。

子煩悩で教育熱心な両親にとって、その子の誕生がどれだけ嬉しい出来事だったのか、またその子を両親の元に送った神様が、その子が健やかに育つように心から願っていらっしゃるように思われる映像でした。

それにしても、親が20数年間に渡ってプレゼントしてくれたものの大きさに気づくのに、10年以上もかかったとは・・・

「親の心子知らず」とは、よく言ったものです。

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