歌い手にとって死活問題の凝りに対処する

最近は週1ペースでレッスンに通っているので、自分の課題が一段と露わになってきました。

私はここ5年以上の間、首・肩の頑固な凝りを克服できないという状態にあります。

首・肩の筋肉が硬くなっていると高音が出にくく、響きが固い状態になります。

声楽(ベルカント唱法)は筋肉を正常な状態で正しく扱い、たくさんの息を送り続けることが基本です。

そのため、特に首・肩の筋肉に凝りがあると、さらに上のテクニックを身につけるチャンスが与えられず・・・歌い手にとって生死に関わる問題なのです。

先生から改めてこの課題を指摘され、「この状態ではこの先何十年やっても意味がないかも・・・」と軽く絶望感に襲われました。

それで、凝りの原因について考えてみたところ、大きく2種類あることが分かってきました。

それは、普段(歌以外)の姿勢と、精神的なもの(物事に取り組む際の心構え)です。

現在は、これらに対処するための取り組みをいくつか試しているところです。

精神的な対処方法の一つは「しているフリをやめる」ことです。

言い換えれば、「本質を押さえていないのにやっている気になるのをやめる」ことです。

周りの目を気にして「頑張って見せる」「努力しているふうに見せる」といった無駄な努力をするとき(笑)、無意識のうちに呼吸が浅くなり全身に力が入ります。

また、無意識のうちに指摘されたことを「相手のためにやって見せる」という考えが働くときも同様に力が入ります。

これをずっと続けていると、的を得ているかどうかにに関わらず自分でも何となくやったような気になってきてしまうのが怖いところです。

これに気付いてその考えを取り去ったとき、余計な力が抜けるのを感じました。

また、新卒として会社勤めをしていた当時に客先でひどく怒られた場面があったのですが、原因はこれだったのかと悟りました(その当時も理解して対処したつもりでしたが、その根本となる自分の考えまで見えていませんでした)。

具体的な方法としては、取り繕わず、出来ないこと・わからないことは進んで口に出し、いい人ぶらないようにします(笑)。

また、物理的な対処方法は「仕事を終えたら凝りをほぐすことに全力をかける」ことです(笑)。

空き時間、お風呂上がり、起床後とひたすらストレッチや凝りほぐしをやっています・・・。

その成果か、指摘された次のレッスンでは少し状態が良くなったと評価してもらえました。

余談ですが、先生が「〇〇筋を◯◯のように使う」と教えてくださるのに、受け取る側が「へぇ〜、◯◯なイメージね」と受け取っていたらいつまでたっても理解が進まないということに気付き、人体の筋肉について勉強を始めました。

ジムのトレーナーさんおすすめの書籍を参考に、実際に自分で呼吸をしたり身体を動かして実践しています。

これはお風呂上がりに裸でやります(笑)。その方が筋肉の動きが見えるので。

幸か不幸か、私は大学でマウスちゃんを解剖した経験があり、横隔膜や肺の位置や動きを勉強しました。

今思うと、歌い手が解剖学(実習)を習う場面なんてないから、本当に貴重な体験だったな〜と思います。

なので、10年以上も前の消えかかった知識を総動員しながら、鏡の前でポーズを決める毎日です。

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