私の大好きな方、10年ほど前に亡くなった恩師からいただいたアドバイスの中で、とても心に残っている言葉があります。
「何かを極める道のりで得たものは、必ず他の分野でも生かすことができる。そこで得たものは物事の本質であり、どの分野でも共通している。あなたが音楽を極めたなら、そこで得たものは、今後、別の分野に取り組む時にもあなたにとっての糧となる。」
この言葉をいただいた当時、私は合唱団の学生指揮をしていました。
初心者もいれば芸術学部のプロの卵たちもいるという特殊な環境で、なぜ理系学部にいた私が学生指揮を任されたのか、今となっては本当に謎です。
任された仕事はきちんと全うしなければと、楽典も和声も指揮法も、そもそも音楽理論の一つも知らないのに、様々な指揮者をテレビで見て勉強しながら、指揮に取り組みました。
本来の勉学を脇に置いて音楽の道に走った結果、務めを終える頃には「指揮上手だね、向いてるよ。」という評価をいただくようになりました。
それを見た恩師がかけてくださったのが、前述の言葉です。
聖書を読むようになり、この時に恩師が言わんとしたのは、物事に共通する法則性や悟りのことなのだと理解しました。
そのような言葉をくださった恩師に、心から感謝します。