最近、音楽療法士の佐藤由美子さんの著書「ラスト・ソング 人生の最期に聴く音楽」を読みました。
すごいエッセンスが詰まった本、というのが率直な感想です。
佐藤さんは、米国のホスピスや国内の緩和ケア病棟で音楽療法に携わって来られた人です。
死期が迫った患者さんに対するケアを通して、より良く生きるとは何か、本当の心の癒しとは何か見つめて来られました。
メディアなどで人の死、より良く生きること、心の癒しとは何かについて触れるとき、綺麗な言葉ばかりが並べられることが多いと思いますが、この本は違いました。
無駄な言葉は全て省かれ、的確な表現だけで様々なストーリーが綴られていました。
言葉が多いわけでも少ないわけでもない。
様々な患者さんの最期に寄り添ってきたからこそ語られる言葉の数々に感動を覚えました。
患者さんに接する中で、第二次世界大戦などの悲しい出来事が他人事ではなくなったというくだりがありますが、これはまさに私自身についても言えることだと思いました。
著書の中には、沖縄戦を経験した患者さんが出てきます。
戦争を経験した人や犠牲者の方たちにとって、戦争の記憶はどんなに時を経て忘れようとしても忘れることができない足枷のようなものです。
患者さんたちが死を目前にして、その記憶に苦しめられ、心を蝕まれ苦悩する姿が書かれていました。
たった一握りの人間が戦争すると決めたことによって、おびただしい数の人命が失われ、残された人たちの心が苦しみに苛まれました。
戦地に派遣された米国兵士の平均年齢は19歳だそうですから、残された親、妻、夫、身近な人たちの悲しみ、苦しみは計り知れません。
この本を読んで祈っていると、神様の心に秘められた沢山の悲しさや悔しさ、怒りが伝わってきます。
RAPTブログに出会う前は、このような悲しい出来事に触れて悲観に暮れることはできても、何か対応する術を持ちませんでした。
でも今は違います。世の中の様々な出来事のカラクリを知ることができ、それに対処する方法、心を守る方法まで教えてもらいました。
世の中には戦争反対、反原発など、様々な平和を求める意見があると思います。
この世の中から大きな悲しみをなくしたいと願っていらっしゃる方がいましたら、どうぞ参考記事を覗いてみてください。
署名活動やデモ活動では到底不可能な規模で、現実を変えていく方法がここにあります。
参考記事: