GWに実家で、登山家のドキュメントを目にしました。
パキスタンで2番目に高い山、K2(カラコルム山脈)の未踏破ルートに挑戦した登山家、平出和也さん、中島健朗さんのドキュメントです。
日本にはこんなすごい登山家がいたのか…と思いながら見ていたら、ふとK2という山の名称が気になり、ネットで調べてみたら…なんと、この二人の登山家はK2で遭難し、救助活動が打ち切りになったとのこと。
所属会社のホームページに、以下のような記載がありました。
二人は2024年7月29日にK2の7,000m地点から滑落し、救助活動が行われたが、ヘリコプターが着陸することができず、地上から捜索に向かうことも困難で、救助活動の継続ができないとの判断になり、7月30日時点で両名に動きがないことから、ご家族同意のもと救助を打ち切った、と。
思わず言葉を失いました。
今、目の前のテレビの中で元気そうに喋っている二人を見ていると、既に遭難し亡くなっていることなどまるで信じることができませんでした。
その後、二人のInstagramを見ていたら、現在は中島健朗さんの奥様が管理しているアカウントで、このような気持ちが綴られていました。
NHKから番組制作のお話があったとき、中島さんを思い出すことすら怖くてとても悩んだが、撮ってきた映像をお見せすることが、山岳カメラマンである中島さんの願いだろうという思いで、承諾をした、と。
二人の状況から、亡くなったことが明らかであるのに、家族は遺体に面会することすらできない状況なのです。
そんな中で、いつか中島さんが元気に帰ってくるかもしれないと期待してしまう自分と、もう生きてはいないだろうという現実に引き裂かれながら、今も失意の中で毎日を過ごしているのではないかと思うと、大変心が痛みます。
せめて顔を一目見たい、でも一流の登山家ですら危険な場所へ探しに行くことも叶わない。
そんな状況では、グリーフ(大切な人を失った時に現れる悲嘆の症状)は、より複雑になるのではないかと感じました。
私たちが苦境に立たされる時、それは、助けを求めてほしいという神様からのサインなのだと思います。
神様は、苦境に立たされた人をご覧になり、そこから助け出してあげたい、そう思っていらっしゃるのではないでしょうか。
私たちの心にある傷を癒やすものは、時間でもなく、カウンセリングでもなく、本物の愛です。
神様が持つ本物の愛は、信じない人にとっては空想の産物に過ぎないですが、
一度その熱さに触れたなら、心の傷は癒え、心の痛みや苦しさは、すべて氷のように溶けてなくなります。
それほどの熱さと癒しがあるのです。
いつか、ご家族の抱える傷が完全に癒やされるよう、祈っています。