私が中学生くらいの頃だったでしょうか。
Automaticのメロディーが街で一斉に流れ、天才と騒がれた10代の女性アーティストがいました。
そう、宇多田ヒカルです。
私は中学生の頃から20代前半頃まで、宇多田ヒカルをリスペクトしていました。
当時、宇多田ヒカルの他にもaiko、浜崎あゆみなども好きでしたが、その中でも宇多田ヒカルは特別な存在だったと思います。
自分と同年代で作詞作曲ができて歌えて、さらに英語も勉強もできる。
宇多田ヒカルへの想いは「憧れ」という言葉では足りなくて、もはや「崇拝」に近かったかもしれません。
雑誌やテレビで宇多田ヒカルの一挙一同をチェックし、ファッションにまで影響を受けていて、今考えると「私も一応、年相応の女の子だったんだな」と思います。
2010年になって、宇多田ヒカルが活動休止するという発表がありました。
社会人になってからは心が離れてしまっていた時期もありましたが、活動休止前最後となるライブを開催すると聞き「もう生で宇多田ヒカルを見ることができないかもしれない!」との思いから、チケットを申込みました。
高い競争率のところ運良く当選し、横浜アリーナで行われたライブ「WILD LIFE」の2日目(12月9日)公演を観に行きました。
ライブは五感を最高潮に刺激される時間でした。音楽、舞台芸術、衣装に加え、憧れのアーティストと同じ空間にいるという陶酔感。
ライブの時間は2時間半くらいだったと思いますが、本当にあっという間でした。例えるならば「心を鷲掴みにしてあちこちへグイグイ引っ張られる時間」という感じです。
人生二度目となるライブでしたが、聴きに来た人をさらに虜にさせる仕掛けがされていると感じました。
余談ですが、大学生の合唱サークルで、各自が好きな曲を持ち寄って歌うイベントがありました。
そのとき、私が選んだ曲は宇多田ヒカルの「Final Distance」でした。
伴奏をしてくれたのは芸術学部の男子で、もはや人間のレベルを超えているとしか思えないほどピアノが上手でした。
彼が所々アレンジしながら私の好きな曲を弾いてくれて、それが本当に優しい音色で、もう夢見心地のような時間でした。
もし願いが叶うなら、彼にもう一度「Final Distance」を弾いてほしいなと思います。