お世話になっているピアニストとの再会

先日、これまで何度も伴奏をしてくださっているピアニストの方と再会しました。

ここ最近のコロナのことなどもあり、しばらくお会いする機会がなかったのですが、今回は伴奏合わせをする機会をいただきました。

実はその方は、病に倒れてピアノが自由に弾けない状態になってしまっていました。

その状態からコツコツと努力をされて、伴奏ができるまで回復されたのです。

これだけを見ても、本当に奇跡としか言いようがないのですが・・・

奇しくもこの日は、昨年実施したコンサートから約1年後の日でした。その記念すべき日に昨年と同じ場所でメンバーが再会し、音楽を奏でることができ大きな感謝を感じました。

久しぶりに聞いたその方のピアノの音色は、優しく心が安らぐ音色でした。

「今までのように弾けるだろうか、これで良いのだろうか」という心の不安を感じる瞬間もありましたが、元々その方が持っている綺麗な音色は、まったく変わることなくそのままでした。

その方は忍耐と努力の方です。今までの積み重ねがあるので、何か注文をつけたり付け加えたりする必要もなく、穏やかに時間が流れていきました。

ピアニストもバイオリニストも既に素晴らしい音色を持っているので、そこに私が偉そうに何かを付け加える必要はまったくありませんでした。

3名が既に持っている個性をより発揮し、よりエネルギーを持って走れること。これからはその工夫だけをすればよいのだと感じました。

それとともに、せっかく作曲ができる環境を与えてもらったのだから、彼女たちをプロデュースしたいという熱い感動を覚えました。

予定していた曲を合わせた後に、今まで歌った曲を何曲か弾いてもらったのですが、この瞬間が本当に奇跡だと思えて何度も目頭が熱くなりました。

同時に、神様は一人の人が今より上を目指して懸命に努力する姿を見て心が飛び上がるほど喜んでいらっしゃるのだと実感しました。

病のこともあり、その方がピアノの前で捧げてきた時間は想像を遥かに超えるものでした。

私の日頃の努力・・・仕事も音楽も家事もやらなきゃといって、てんてこまいしている様子がありんこに見えるほど、まったく足元にも及びません。

その姿を神様がご覧になり、心から感動し、喜びの涙を流していらっしゃるのだと感じました。

私が出産後に音楽に復帰したとき、その方が教えてくださった優しい言葉を今でも鮮明に覚えています。

「小さい子供を抱えながら音楽をする期間は、伸びることを目標にするのではなく、ただ実力を維持することを目標にするといいですよ。それが大事なんですよ。」

その言葉のお陰で音楽を続けてこられたのだと思います。

参考記事:

◯RAPT有料記事10(2015年9月18日)この世の荒波に打ち勝つ方法。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする